ヌメリナイトで DDR と beatmaniaIIDX という需要の限りなく少なそうなジャンルを担当してきました。50分 + 45分という長丁場。いかにして脳内ダンスフロアに立てこもり、閑散としたフロアを見ずにやり過ごすかが課題でしたが、実際のところ、どちらのジャンルでもかなりの手応えがあったというか、音ゲーの魂を伝えたというか、パリジェンヌに酢だこさん太郎を無理矢理食わせたら案外好評だった、みたいな感じの充実感がありました。音ゲー野郎冥利に尽きます。シリーズにミリオンの単位で金を突っ込んできた甲斐があるというものです。ミリオンの単位。自分で書いててかなり胃に来るものがある響きです。俺は一体何をしてきたんだろう。本当にこれでいいのか。そんだけ金を使っておきながら全国トップ1000にも入れずにいる自分のことを思うと胸が張り裂けそうです。でも、そんな時、フロアのみんなの笑顔や歓声を思い出すと、不思議と勇気が湧いてくるのです…。
とりあえずセットリストを公開。まずは DDR から。 曲名のあとのカッコ内は、その曲が初登場したバージョン。
01 SMILE.dk - BUTTERFLY (1st)
02 ME&MY - Dub I Dub (2nd)
03 KING KONG & D. JUNGLE GIRLSBOOM - BOOM BOOM DOLLAR (2nd)
04 HI-RISE - I BELIEVE IN MIRACLES (2nd)
05 4 REEEL - Highs Off You(Scorccio XY Mix) (MAX)
06 JT PLAYAZ - LET' S GET DOWN (1st)
07 PATRICK VICTORIO - LA COPA DE LA VIDA (EX)
08 DIXIES GANG - EL RITMO TROPICAL (2nd LINK VERSION)
09 X-TREME - MY FIRE (1st)
10 JS-16 - Stomp To My Beat (2nd)
11 MR.ED JUMPS THE GUN - SMOKE (2nd)
12 CAPTAIN JACK - THE RACE (3rd)
13 LOUD FORCE - ROCK BEAT (3rd)
14 Scotty D - Drop the Bomb (3rd+)
15 NAOKI - Brilliant2u (2nd)
16 NAOKI - B4U glorious style (5th)
17 JOGA - DAM DARIRAM (3rd)
18 JOE RINOIE - SYNCHRONIZED LOVE(Red Monster Hyper Mix) (4th+)
19 THE SPECIALS - LITTLE BITCH (1st)
20 CAPTAIN JACK - DRILL INSTRUCTOR(C-JAH HAPPY MIX) (SOLO 2000)
21 JENNY ROM vs ZIPPERS - WAKA LAKA(E=MC2 MIX) (MAX2)
22 JENNY ROM - WWW.BLONDE GIRL(MOMO MIX) (MAX)
23 小坂りゆ - CANDYv (MAX2)
(23のvはハートマーク)
トップバッターということで責任重大。もしここでこけたら後続の DJ さんたちに会わせる顔がない。というわけで誰でも聴いたことがあるような曲や極めてノリのいい曲を中心にセレクト。特に1曲目のバタフライに関しては、イントロの間の抜けた琴モドキサウンドが最高に気に入っていた。が、フロアは沈黙。あの時のお客さんの表情に、何かひとつ擬態語を贈るとしたら、“キョトン”以上にふさわしい言葉はないのではなかろうか。まあ、雪がやんで間もない極寒の新宿をわざわざ歩いてロフトプラスワンまで来て、「ヌメリナイトってどんなもんかな」って気分で見はじめた矢先、聞いたこともないサイトのやつにいきなり DDR の曲をかけられたら、そりゃ困るよね。俺が客でもヘッドプレスかました瞬間のベガ並に腕組んで棒立ちしてると思う。ごめんなさい。でも世の中には心の温かい人がいるもので、1曲目から普通に踊ってくれてる人もいたりして、心の底から感動した。で、大体4曲目から5曲目あたりからちょっとずつ踊ってくれる人が増えていって、ほっと胸を撫で下ろした次第。救われた。18曲目は武富士の CM でお馴染みの、「レッツゴー! ウォンチュッテッポーネーノ アーノネニネーノ」みたいなダサ格好よすぎるあの曲なんだけど、あのとき辺りからは俺の笑顔がとんでもないことになってたはず。引いた人がいたら心から陳謝したい。
次に、 beatmaniaIIDX 。サブストを除くすべてのバージョンからセレクト(本当は12曲目の初出は CS5th だけど勘弁して欲しい)。正直 DDR よりこっちが不安だった。
01 dj nagureo - 20.November (1st)
02 dj nagureo Remixed by Mr.T - u gotta groove -extend joy style- (9th)
03 good-cool - I Was The One (2nd)
04 Sana - 真夏の花・真夏の夢 (9th)
05 ASKA - Happy Wedding (for party mix) (7th)
06 Lion MUSASHI - THE SAFARI (3rd)
07 Shawn The Horny Master - Hormiga obrera (8th)
08 good-cool - Spin the disc (5th)
09 AKIRA YAMAOKA - bit mania (8th)
10 ヒロシ&チー子 - システムロマンス (10th)
11 PINK PONG - Hi School Dream (10th)
12 L.E.D - SOMETHING WONDERFUL (6th)
13 Kors K(remixed by Sota Fujimori) - Love is Eternity -SF SYNTH TRANCE MIX- (10th)
14 Ryu☆ - 雪月花 (10th)
15 Tatsh feat. K.Nayuki - Sphere (RED)
16 sampling masters AYA - Debtty Daddy (10th)
17 D.J.SETUP - spiral galaxy (RED)
18 TaQ - symbolic (8th)
19 TaQ - DXY! (4th)
20 TaQ - Innocent Walls (10th)
21 L.E.D - GHOST REVIVAL (10th)
22 SPARKER - BRIGHTNESS DARKNESS (9th)
23 D.J.Amuro - AA (RED)
24 TAKA - V (5th)
25 Mr.T - ZERO-ONE (7th)
26 Mr.T - xenon (8th)
午前4時くらいからの出番だったんだけど、俺はこの頃には完璧に酒が回っていて、冷静な人が見たら「なにかを降霊しようとしてるんじゃないか」と不安になるくらいのノリノリダンスを披露してた気がする。なにしろ音ゲー曲オンリーで DJ するというのは、俺のここ3年余りのインチキ DJ ライフでの悲願なわけで、その嬉しさたるや失禁レベル。行きすぎた煽りを繰り返した。でもフロアの皆様もそれにのってきてくれるから感動した。あと、イベントが終わってから聞いて一番嬉しかったのが、1曲目の大名曲 20.November で、ファンなら今でもそらで叩けるあの譜面を、エアギターよろしく空中で叩いていた人がいた、という事実。しかも4,5人も。最高。生きてて良かったよ。まるでビーマニファンじゃない人からすれば信じられないくらいキモいだろうけどそんなことは知らない。これはオタクのイベントなんだよ!!
出番以外は大抵フロアにいたのだけど、楽しさとしてはジャニーズからアニメへの流れが最強だったように思う。どっちも熱唱した。ジャニーズではファンタスティポの大合唱と DJ ブース内での完璧すぎる振り付けに熱狂し、アニメではペガサス幻想やキングゲイナー、エロイムエッサイムで絶叫。まさかナデシコの You Get to Burning のイントロで大歓声をあげられる日が来るとは夢にも思わなかった。最前列でずっと叫んでたら、出番前に自殺寸前のような面持ちで緊張していたアニメ担当 DJ のゴトウさんが1分に1回くらい顔を見てきて、だんだん楽しそうな顔になっていって、あれはとても嬉しかった。
それと、3月4日のイベントであるにも関わらず堂々とピークタイムに配置されたジャンル、「クリスマス」で、戦場のメリークリスマスが流れたときは爆笑した。すごい勇気。しかも VJ さんがセレクトした映像が「キラキラと輝くクジャク」で最高に面白かった。あとは正気を疑いたくなる驚異のジャンル「アクセス」もよかった。DAISUKE ASAKURA による、素人の耳には A メロの聞き分けが困難な数々の名曲たちが延々30分。会場そのものがスイートサイレンスになるかと思いきやごくごく普通に盛り上がって驚いた。踊ってる人たちが全員笑顔だったのが印象的。DJ がAメロ・Bメロではすごくつまらなさそうに携帯をいじっていたのに、サビに入るなり弾けるような笑顔で踊り出したのには笑った。しかも振り付けがTMレボリューションのハイプレッシャーの、折り曲げた片腕を頭の上でクイクイやるあれの延々繰り返しバージョンで適当。それとは対極にいたのが、「アイドル」というジャンルにも関わらず「俺のアイドルだから」という理由で序盤にハードなロックをかけていた DJ。曲と完璧にユニゾンした情熱的なエアギターで胸を熱くさせてくれた。ロフトプラスワンの人が普通に感心していた。後半は本職モーヲタも入り交じってのハロプロ大会で、会場は一体に。それと衝撃的ジャンル「軍歌」でははじめの10分近くを戦争物の物語風ナレーションなどで使い、その後いきなりデジタルでハードコアな曲調に。鳥肌実モノとかが流れたかと思いきや小田和正の「言葉にできない」のハードテクノリミックスがかかったりして面白かった。いいもん見た。
イベント終了後、帰っていく人たちとか残ったスタッフたちとかが、みんな楽しそうな表情なのを見て、すごくいいイベントだったなあと実感した。まあ楽しくない表情の人は早々に帰ってしまったのだろうけど、延べ人数300以上集めてあれだけ盛り上がれば、大成功でしょう。ただ、座ってる人や踊ってる人を問わずそこら中の人にからんだり俺をいきなり後部から捕まえて持ち上げようとして転ばせたりした酔っぱらいには猛省をうながしたい。バカモン! 痛かったぞ!