読子=リードマン

2003年05月08日

毎週木曜の4限はお楽しみ、70か80くらいのじいさんが繰り広げるザ・アルツハイミング授業。初回の授業のしょっぱなから「教室はここでいいのか」という掴みのジョークや「戦時中に軍事工場で働かされて魚雷を作っていたら学友が魚雷で吹っ飛んだ」などの数学とは何の関係もない昔話でその潜在アルツ能力の高さを臭わせていたじいさんだったが、第2回の授業ではなんと、プリントを配ってそのプリントの内容にまつわる雑談3,4種類を2回半ほどループさせて繰り返し聞かせるだけという驚異のアルゴリズムで終了。多分あのじいさん、言ったそばから何を喋ったか忘れてる。ところてん方式で記憶が抜けていく。ジョジョの6部で「物事を3つまでしか記憶できなくなる」っていうスタンド能力があったけど、それを地で行ってる。「この教室でいいんだっけ」ってまた言ってたし。やばい。あと「テストに教科書を持ち込んでいいのだが、プリントはカンニングと勘違いされるらしいから駄目なんだよ。俺はいいと思うんだけど。」というような事を、2回目の授業までで5回は繰り返してた。しつけー。

それでもって先週行われた驚愕の3回目、これが凄かった。まず教室に笑顔で入ってきたと思ったら「こんな不愉快な大学はない、全員前の席に座れ」と突然の激怒、後ろの方に座っている連中を無理矢理前に座らせる(俺は真ん中よりちょっと前だったので助かった)。そして「ここは日本で一番駄目な大学だ。本当なら全員殴ってやりたいところだ」と年甲斐もなくハッスル、よぼよぼの手を振り上げてニヤリと笑う。誰か医者呼べ。

全員が前に出てきたのに気をよくしたご老公、含み笑いを浮かべ「今日はお前らにすごいプリントをくれてやる、いいか、日本でこんな授業をしてるのは俺だけだぞ。ありがたいんだから。」と豪語。ありがたいかどうかはともかく、確かにこんな授業をしてるのはこのじいさんだけだろう。一体どんなプリントなのか、と思ったら、おい、じいさん、ちょっとこれ、先週配った奴だろうが! ボケ過ぎだよ! しかし、じいさんはそんな事は想像だにしてない様子で「これはだな、俺が2年前に京都大学で教授相手に授業をするときにだな…」という、前回も2回くらい聞かされたエピソードを得意満面で語り、その後も前回とほとんど同じ内容の授業を繰り広げたのだった。しかもその授業、2回聞いても得るものがある内容だったらいいのだが、1回目の時点で既に何も得るものがないという鬼のような内容。何故なら、「お前らこれ知ってるか?」(黒板に訳の分からない数式を書く)「何、習ってない? 今3年生か。3年生で習ってないって、情けないねー。」とか言って昔話を交えたお説教を10分くらいカマしたら、また「じゃあこれは知ってるか?」と、また何が何だか分からない内容を黒板に書き連ねる、という事の繰り返し。その小難しい数式が一体どのようなものなのか、どうやって解くのか、どのような性質があるのか、そういった説明は微塵もなし。おいジジイ知識ひけらかしたいだけかよ。どういう授業だよ。

そんで今日の授業でも、「ルベーグ積分」とかいう代物について色々語りたかったみたいだったのだけど、「えーと、これは教科書のだな、40ページから49ページ? たっだ10ページで必要なことを全部まとめたから。」「このルベーグ積分というのはな、(黒板に汚い図)こういう無限回振動する関数がだな(略)」「で、こういうのがルベーグ積分というわけだ。詳しい概念などは教科書の…えーとどこだっけ。よん…40っ…ページから………………49ページまで。ここに全部! 全部書いてあるから!」「それでだな、ルベーグ積分というのは、(黒板にまた図)」とかそういう感じでね、もうなんだろう、テクノだよね。ここまで繰り返されるとグルーヴすら感じる。ジジイの肉声によるミニマルミュージック。あ、なんか俺、恍惚としてきたかも…(熟睡)。

そういうわけで今日もジジイの授業は15分くらい寝てしまった。目が離すことの出来ないアツい授業なだけに無念。来週も楽しみですゾ!

Posted by iwakura at 23:50