2003年04月16日

うちの大学の学食はリーズナブルな値段の割に量があって味も割とよろしいので、美食大魔王こと俺様(マックのポテトが大好きです!)も大満足なハイブリッド・食スペースなのだけれど、それだけに人気も高くて、昼休みになるとハンパじゃなく混む。どっから湧いてきたのか知らないけど俺と同じくらいの年の若い衆が馬鹿みたいにやってきて、学食はさながらイモを洗っているかのようになってしまうのだ。1年生の頃はそこのスパゲッティ大盛り(とてつもない量)を食べるためだけに大学に行っていた俺様(美食家)も、その人混みの鬱陶しさに負けてついに大学そのものを諦めてしまった、という悲しいエピソードもある。(主に人間性が悲しい)

本当にあの混み具合が嫌だったので(あとそもそも昼をまたいで大学にいる事が滅多にないので)1年以上学食に行ってなかったのだけれど、今日は俺の大学復帰を記念して、他の連中が次の授業へ向かい始める昼休み終了5分前を狙い澄まし、学食での食事を楽しんできた。一人で。はは。男はいつも孤独。ウジャウジャ群れるのは好きじゃねぇ。オラそこでギャーギャー騒いでる野郎ども、人の迷惑考えな! 全く一人じゃ何も出来ない分際で、いけすかねえ。どれ、ひとつこの俺様がとっちめてくれようか。ギッタギタにのしてやる。てめえら、謝るなら今のうちだぜ。許して欲しかったら、俺を、仲間に入れてチョ。寂しいの。えへへ。

まあそんな捏造エピソードはともかくとして、一人でスパゲッティー大盛りを注文し、オレンジ色のトレーを手に学食をうろついてみたものの、昼休みがもうすぐ終わろうというこの時間なのにほとんど空いている席がない。なんたる事。っていうかとっくに食い終わってる連中が居座りすぎ。お前らは良くてもな、ここに、食べたくても食べられない哀れな青年がいるわけだよ。いや食おうと思えば立ちながら食えるけど、さすがにできない。というわけで食べたくても食べられない。おなかの空いた人が食事できないままでいたらどうなるか分かるか? そう、餓死だ。つまり俺はお前らのせいで餓死寸前。虫の息だ。(虫みたいな臭いのする息って意味じゃないよ!)この人殺しどもが! 末代まで呪ってやるぞ!

そんな事を心の中で叫んでてもしょうがないので、なんか孤独にもそもそ飯を食ってる人の多い負け組テーブルに混ざる事にした。うん、いいね、100人いたら100人が「こいつオタ」って思うような完璧超人デブ、勉強以外何も取り柄がなさそうな顔をしてるけど実は勉強もそれほど出来ないって感じのメガネ君、出席を取ったら半分以上の生徒に途中で抜けられたりしてそうなパッとしない教授(風のオッサン)などなど、付け入る隙のない布陣。ここに来れば俺の寂しさも幾ばくかは紛れるというものだ。きっと君たちも、「ああ、また仲間が一人来た。」と、内心心強く思っている事であろう。そう、確かに俺たちは単体で行動する一匹狼だが、やはり時には絆のようなものを感じたいのだ。例え、それが蜃気楼であろうとも…。

100人の仲間を得た気分でそのテーブルにつこうとしたら、思いがけず足がテーブルの角にぶつかってしまい、斜め前に座っているデブの水を大きく揺らす結果となってしまった。よく見てなかったから分からないが、ひょっとしたらちょっとこぼれたのかも知れない。悪い事をした。こういう時の礼節はわきまえねばなるまい、という事で「あー失礼。」と軽く謝っておく。いつでもお互い気持ちよく食事が出来るようにしたいものだから、ね。デブちゃんごめんよ。

しかし俺の誠心誠意の謝罪にもかかわらず、デブの野郎はあからさまに不愉快そうなツラでこっちを睨んでいる。挙げ句、舌打ち。こ…この野郎! ふざけんな! きちんと謝っただろうが! 人が下手に出てやったら調子に乗りやがって! 第一お前、なんで水の入った湯飲みが2つもあるんだよ! 1つにしろよ! カレー食ってるからか!? カレーだからなのか!? 馬鹿野郎! カレーだからって許されると思うなよこの絵に描いたようなデブ! お前みたいにデブ丸出しの食器の使い方する奴がいるからいつまでたってもデブの地位が向上しねーんだよ! いい迷惑だよこっちも! 死ね!

などと心の中で毒づいていたら3分くらいでスパゲッティーを食い終わってしまったので、普通に歩いて次の授業へ向かった。フフフ、前にいたデブよ、見たか。お前は水を飲むが、俺はスパゲッティーを飲むのだ(一流の美食家の証)。

Posted by iwakura at 18:45