アームズ

2005年02月10日

過ぎし日は帰らじ。ダンゴムシを大量に集め、石などで囲いを作って“ダンゴムシの国”などと称し、国外逃亡虫をつまんでは囲いに戻し、つまんでは囲いに戻し、つまんではきまぐれに遠くへブン投げ、などして昼から5時のチャイムまで時間を潰せたあの日は戻ってこない。公園で“水風船戦争”を行いながら、何故かテンションが上がりすぎて“好きな人暴露大会”も同時開催してしまい、後日、好きな人がかぶっていたあいつやあいつを必要以上にライバル視したけど結局誰も何もできずじまいだったあの日も帰りはしない。友達の家でセクシャルビデオ上映会を開催した際、一本目に上映されたのが、マネキンのようなダッチワイフ相手にガリガリの男がとんでもない大声というか雄叫びを上げながら猛烈に腰を振るという、ド変態・オン・ステージな内容で、二本目に流したビデオでは逆に人間の男が一切登場せず、それではウーマンパラダイスだったかと言うとそうではなくて、人間以外の種族の男というかオスが大集合してしまっているという、一本目を遙かに凌駕するアブノーマルビデオで、その場に居合わせた連中が一人を除いて全員死にたくなったあの日だって、取り戻すことはできない(一人は興奮していた)。

そして、今年の大学のテスト期間もまた、二度と、俺のもとには、訪れないのだ。

終わっていた。あの憎き“頭文字D”こと DAIGAKU に足を踏み入れなくなってかれこれ四ヶ月が経過しているが、ちょっとした好奇心、冒険心が、俺を殺した。DAIGAKU の安っぽい HOMEPAGE には、何度読んでも、どこからどう見ても、「後期試験 1月17日(月)〜1月31日(月)」という呪いのメッセージが刻まれており、その一文字一文字が意志を持って俺を罵倒してきているかのような感覚に襲われた。高まる動機、沸騰する血液、全開になる瞳孔。思わず両手で顔を覆った。その瞬間に、青龍刀か何かで首を刎ね飛ばして貰えれば、それが一番幸せだっただろう。だが俺にはお抱えの死刑執行人がいない。俺を骨の髄まで恨み、殺し屋を派遣してくれる人もいない。今、この世で最も俺を憎んでいるのは、俺だ! 俺は俺を恨む! そして…俺をここまで追い詰めた大学を…何よりも! 誰よりも! 全身全霊を上げて、恨む! この怒りは輪廻転生したって消えることはないだろう。もし俺がテロリストに生まれ変わったら、迷うことなく、盗んだバキュームカーで走り出し、大学へ特攻するだろう。もしシロアリに生まれ変わったら、大学の隅から隅までを食らいつくし、崩壊させてみせるだろう。もし鳥インフルエンザウイルスに生まれ変わったら、憎しみのエネルギーで鳥を操り、大学まで飛び立ち、大学中に我が分身を撒き散らすだろう。もしハムスターに生まれ変わったら、大学の各教室に乱入して勝手に芸を繰り広げ、あまりの可愛さに全員をウットリさせて授業を台無しにするだろう。命乞いをしても遅い。今の俺は最早、大学を壊滅させるためだけに存在する、心のないサイボーグだ。大学・ターミネーターだ。今、俺の中に潜在していた邪悪な意志が、「力が欲しいか?」と問いかけてくれば、俺は「欲しい」と即答するだろう。何よりも大切なものだって、「…げる」と呟いて犠牲にするだろう。誰も俺を止めることなどできない!!

助けてくれ!!

Posted by iwakura at 14:17