「大学が始まる時期なのに更新されないですね。もう飽きてしまったのでしょうか?」という質問が、メールフォームなる未来システムより我がスーパーコンピューターへ送信されてきたので、鼻で笑った。馬鹿を言ってはいけませんよ名無しさん。こんな正月のめでたい時期に、なんでわざわざ糞ホムペの野郎を更新してやらにゃならんのですか。やっぱ正月くらいパーっとね、休んで遊んで笑って、魂の洗濯をしなきゃいけないですよ。そうでもしなきゃこれからの辛く長い一年間を、あなた、どうやって乗り切るって言うんですかね。正月のど真ん中から本気でカッ飛ばして日記とか書いてたら、体を壊すわけですよ。アップしないで全力疾走したらアキレス腱がブチ切れるのと同様に。ですからね、このウルトラハイパー多忙サイトいちご帝国としましてはね、今しばらくお休みの時間を頂いて、じっくりとパワーを充填しきったその刹那より、爆発的更新を始めたいな、と、そういった心持ちでもってこの新年を迎えておるわけです。お分かりになりますかこの崇高な精神。要するに無理はしないということですよ。「金持ち喧嘩せず」という言葉がありますけどね、「帝王無理せず」って言葉もあるんですよ。いや実際のところないけど、っていうか語呂がびっくりするほど悪いけど、とにかくね、いちご「帝国」の管理人であるところの僕というのはつまるところ「帝王」であるからしてね、正月早々からセカセカしてたら威厳が崩れるわけです。もっと泰然と、王者の風格を漂わせておかねばならない。デーンと構えて頼り甲斐のある風情でなくてはならない。動かざる事山の如し。そう、我は山なり。雄大なる山なり。原住民に「神が住む場所」と恐れられ、毎年生娘が生け贄として捧げられるような、土着の信仰のシンボルたる存在であるのだ。そして、例年、太陽が最も高く昇る日に、部族の若者達は一日だけ山に登ることを許される。霊山の奥深くに住まい、山神を苦しめていると言われる巨大な猪が、その日にだけ姿を現すからだ。若者達は競って獣道を駆け上がり、我先にとその猪へ闘いを挑む。しかし猪は賢く、時に妖術を使い、若者達を退けていく。この闘いで命を落とす若者は、毎年5人を下らないと言う。部族の一部の穏健派からは、この狩りの中止を求める声すらも出てくるようになった。だが、それでも、彼らは戦い続けなくてはならない。山に根ざした暮らしをしている彼らが、山を捨て置いて生きられる道理はないのだから…。
ところで去年まで俺の部屋に貼ってあったカレンダーは「2000年12月」という恐るべき時空の歪みを感じさせる日付を示していたのだけど、つい先日、やっとこさ本年度のカレンダーを入手することに成功したので、その喜びを噛みしめるべく、今し方部屋の片隅で丸まっている味も素っ気もないカレンダーをクルクルと巻き戻し、「2004年1月」の部分を広げてみた。(ちなみに、丸まっている状態で部屋の隅に放置してあったのは、丸まってるクセが全然取れなくて心底ムカついて投げ捨てたから。)そしてバイトで培った曜日感覚でもって、本日が水曜日であることを瞬時に判断し、加えて、新年を迎えてから今日で2回目の水曜である、という、持ち前の記憶力を駆使して得た貴重な情報から、ホームズばりの英知でもって推察してみたところ、ななな、なんと、今日は1月の、じゅ、14日、そう、1月の、もう、既に、14日になっている、ということが、判明したのだった!!!!!! そして次の瞬間には大学のサイトが我がブラウザに表示されており、そこには、「授業再開 1月8日(木)」という、にわかには信じがたい記述がなされていたのであった!!!!! えーっ!? ちょっと待ってくれよ! 正月は? 正月はどこに行ったの? 俺まだおせち食べてないよ! つーか餅すら一つも食べてないよ! 正月が終わっただと? バカヤロウ、まだ始まってもいねえよ! それなのにお前、大学、って、ちょっと、冗談も大概にしたまえ!!! 時空ぐるみのドッキリだと言ってくれ! 心底びっくりしている俺の前に、2億年くらい先の未来人が看板を持ってきて、「ドッキリ大成功〜〜〜!」とか爆笑しながら現れて、「いや〜うまくいきましたよ〜。ちょっくら時空をねじまげて正月を消し飛ばしてみたんですけどね(笑)」みたいなことを言ってくれるようじゃなかったら、困る! ほんと困るんです! そういえばこないだメッセで誰かに「そろそろテストですね」みたいなことを言われて、ああこの人面白いジョーク言う人だな、とか思ってたけど、なんだよガチかよ! ふざけんじゃねーっつーの。ふんとにもー。
まあでも分かってしまったものはしょうがないよね。今更怒ってもしょうがない。反省しなきゃね。俺もそろそろ成長していかないといけない。そう、正月の実感すらないまま正月が終わってしまったというのであれば、それはそれとして、諦めて、きちんと大学にね、行こう、と、まあそれも諦めて、あれだよ、今日から正月! 俺の中で、つまり俺歴において、今日からが正月本番、正月真っ盛り! ということにしたい。やっぱ人間ポジティブシンキングじゃないとね。とりあえず明日の昼飯はモチとみかん。銀行の ATM から金を引き落とした後に自分に暗示をかけてお年玉気分。部屋に転がってる紙くずを丸めて大学ノートで弾いて羽子板気分。いやー楽しみになってきた! まあポジティブのためには大学を切り捨てるのもやむなしだよね。しょうがない。誰も俺を責めることはできない。何人たりとも。
(前回までのあらすじ)
時は1月14日。ろくにそれらしき気分も味わわないまま正月が終わり、あろうことか大学などというファッキン・オーガニゼーションが始動していたことに著しいショックを受けた、ちょっと小粋なダスティ・ガイ(ゴミ野郎)岩倉は、さんざっぱら身勝手な怒りをぶちまけた挙げ句「俺歴においては今日からが正月!」と言いのけ、自分の手からこぼれ落ちてしまった正月を拾い集める旅に出たのだった…!
(あらすじおわり)
というわけでね、諸君が糞みたいな仕事や学業に自由を奪われているその間に、堪能してきましたわよ! お正月って奴をよ! いや〜マジ楽しかった。生まれて良かった。こういう日々があるからほんと人生ってやつぁやめられねぇんだよな! ガハハ! 前回の更新の後、「旧暦ならいまはお正月ですよ!」ってメールを貰った時にね、まあ薄々気付いてはいたんだよね。あ、俺って過去から愛されてるな、って。単なる思いつきで始めた俺歴の正月が旧暦と重なっているなんていうのはね、ちょっとこれ、ただごとじゃないよ。偶然では済ませられない。「旧暦の正月がいつかを全く知らなかった無知さ加減はどうなんだ」っていう疑問は、ひとまず我が心宇宙に存在するブラックホール・「キニシナイ」に吸い込ませておくとして、旧暦と俺歴の正月が重なったという億に一つの奇跡から導き出されるただ一つの結論、「岩倉は神に祝福されている」、このフレーズのみを、皆さんは心に刻んでおいて欲しい。とにかく、この時期に正月を楽しもうと決めた時点で、何というか、俺の勝利、いやまあ、人生勝ち負けじゃないからこう言うのもあれだけどさ、みんなに悪いしね、でもまあそうとしか表現できないからしょうがない、俺の勝利、しょ・う・り、も決定付けられていたんだなって思う。悪いね最強の正月で。ガハハ。メンゴメンゴ〜!
とまあ素晴らしすぎる前置きも程々にして、それじゃあどういう正月を俺が過ごしたのか、というあたりを、きちんと書いていこうと思う。そうじゃないとやっぱ説得力ないしね。読んでる連中全員が羨ましさの余りキーボードをよだれでベッタベタにしちゃうくらいの、俺の最高の正月ライフを、とくと見せつけてやりたい。
記念すべき正月一日目、つまり俺歴における元旦、俺はメッセのしすぎで、一睡もすることなく日の出を迎えた。2004年、最高の幕開けだ。今年最初の陽の光が、窓から俺の目を優しく刺激する。今日という一日がどんなに素晴らしい日となるか、期待に胸を膨らませながら、ゴミに埋もれた我が部屋で、一心不乱にタイピングした。「ねみー」。返事が来た。「ねむいね」。そしてそれきりそのメッセが進むことはなかった。必要以上の会話をしない、成熟した人間同士の、一歩進んだコミュニケーションだ。そのまま無言でメッセを落とすと、傍らに積んであった漫画を黙々と読み始める。今年一年も面白い漫画にまみれて暮らせますように…。そんな思いを込め、1ページ1ページ、祈るようにめくっていく。読んでいる漫画は西原理恵子の「できるかな V3」、「脱税できるかな」というテーマに基づいて数千万単位の脱税をレポートしていて圧巻、なんで逮捕されないのか全く理解できないほどの内容。まさに新年の幕開けにふさわしいスケールの漫画と言えよう。俺も将来はこんなでっかいことをやらかしたいものだ(このままいくと無収入の末に餓死)。決意も新たに漫画を読み進める。
そこへ、どこからともなく、みそ汁の臭いが漂ってきた。やや、これは我が家の朝食の香りに違いあるまい。ちょうど腹も減っていたことだし、どれ、今年最初の食事といきますか! 足取り軽く今に赴くと、おやおや、どこからどう見ても私のぶんがありませんぞ? これは一体どういったことですかな? ひょっとして、俺歴が正月を迎えたのを察して、おせちでも作ってくれるのかしら…? そういった期待を込めて「俺の朝飯は?」と尋ねてみると、「寝てると思ったから、作ってない」との返事。そっか〜。大学が始まってる時期の平日の朝なのに、もう寝てるのがデフォルト扱いなんだね…。まあ「大学始まるの来週から」って言ってあるんだけど。俺の巧妙すぎる作戦が裏目に出てしまったか…。というわけで白いご飯におかかと醤油をぶっかけただけのネコまんまを食わされた。「今年一年、奢ることなく生きていけ」。そういった親からのメッセージが込められているかのようで、ありがたさの余り泣けた。
2分くらいでネコまんまをかき込み、無言でその場を立ち去ると、お出掛けの準備を始めた。そう、食事なんていうのは別にどうだっていいのだ。正月のメインといえば、何と言っても、お年玉と、そのお年玉の浪費である。年に一度だけ許される最高の無駄遣い! 想像するだにエンドルフィンがダダ漏れ。危うく耳からエンドルフィン汁が流れ出すほどの興奮に支配されながら、俺は我がスーパーママチャリ・スピリット号に飛び乗り、一路、お年玉を貰いに、ある場所へ向かったのだった!
「ある場所」とは、すなわち俺の祖母がいる場所の事であり、そう、俺は祖母にお年玉をねだりに行くのである! ではその祖母とはどこに住んでいるのかというと、静岡に一人祖母がいるけれどもそこは遠すぎるし、もう一人は我が家で暮らしていて、お年玉を貰うなら家を出る前でなくてはならないので駄目で、ってことは、普通の状況だと祖母は二人しかいないので、つまり俺が会いに行くべき祖母は、普通なら存在しないということになる。だけど聞いてくれ。我が家でのうのうと暮らしている、時折家族に精神的致命傷を与えるような罵声を吐く、まだらボケ気味の鬼ババアは、本当は俺の祖母などではなくて、何か大きな組織が送ってよこしたサイボーグか何かなのだと思う。そうでなくては、わざわざ動かない足を引きずってまで二階に上がってきて、寝ている俺をぶんなぐりながら「乞食みたいな部屋に住みやがってこのガキが」などと吠えたりするような、絶望的怨念の持ち主が我が家にいることの説明がつかない。言っとくけどマジ。早く死ね! (まあ確かに俺の部屋は死ぬほど汚いけど。)そして、俺の本当の祖母はどこにいるかといえば、これまた謎の組織の仕業によって、隣町の銀行の、右から3番目のキャッシュディスペンサーに改造され、そこで朝から晩まで強制労働に従事させられているのだった! 可哀想なばあちゃん! というわけで、俺はそっちの方の祖母に会いに行った。ばあちゃんあけましておめでとう。いつも大変だね。お年玉くれよ。「暗証番号を入力して下さい。」4桁の番号を入力したら祖母は口から金を吐いた、ウィーン、5万円。ウヒョーこんなに! 悪いねーばあちゃん! ありがとな!
祖母の愛に包み込まれた俺は、その足で、電脳の愛に包み込まれた街・秋葉原に赴いた。いよいよ本日のメインイベント、浪費の時間がやってきたのだ! 平日の朝っぱらから秋葉原をうろつく完璧超人の群れの中にあって、俺のテンションも急上昇。今日のお目当ての一つであるハードディスクの値段チェックにとんでもないやる気を燃やし始める。普段は行かないようなゾーンの店にまで足を運び、執拗に 160 GB の最安値を探す! 途中で石丸電気の無料ネット体験コーナーに立ち寄り、店の情報をゲットしてまで、徹底的に探す! 物凄い闘志! このやる気の数%でも部屋の掃除に回せれば、もうちょっと人が住めそうな部屋になったものを…。まあそれはともかく、2時間近くかけてハードディスクを探し回った結果、「一番安い店は、一番最初に行った店である」という発狂しかねない結論が導き出されたので、この世を呪いながらその店に向かった! しかしその道中も気が抜けない。ここはオタのメッカ、秋葉原! 素人臭さを醸し出していてはナメられる。ナメられたからといって何の実害があるわけでもないが、恥をかくのは俺のプライドが許さない。だから、目的のハードディスクを購入する際に、噛んだり、製品名を言い間違えたりするようなことだけはあってはならないのである! 特に製品名と言うか型番については、ハードディスクは何やらもう暗号めいたものを感じるくらいややこしく、同じメーカーの同じ容量でも、その他の部分が違うために違う型番で売られたりしているものが多数あって、一体どういう風に店の人に注文したらいいのか皆目見当が付かない。ここで問題なのは、目的の製品の型番をそのまま丸暗記して注文する、という、一番賢明に思える行動が、実に素人臭くて恥ずかしく感じる、という点である! つまり、型番をそのまま言うような野暮な言い方ではなくて、もっと通っぽい、「分かってる人」同士でしか通じ合えないようなうまい言い方が存在するはずであって、俺としては是非ともそっちの言い方で注文したいのだ! 最早こういった欲求そのものが素人臭さ&自意識丸出しで恥ずかしいわけだが、性分なので仕方がない。その昔 512 MB のメモリを買う時に死ぬような思いで「ゴーイチニ(512)下さい」と言った俺だ、今回だって、なんとかアキハバリックな注文の仕方をせねばなるまい。そういった煩悶を抱えながら目的の店に着くと、その店での一番安い 160 GB のハードディスクのメーカー製品は、そもそもその 160 GB のやつしか置かれていない、という事実が判明したので、そのままメーカー名と容量だけ言って購入できてしまった。悩み損。
というわけで色々あったけど目的の一つであるハードディスクを約 11000 円で購入。やっすい! ほんと鬼のように値段下がってる。俺が3ヶ月前に買った DVD±R ドライブとかもう 3000 円くらい下がってるもんな。死ぬほど損した気分。まあでも買いたい時が買い時って言うしね…高いぶん早めに使えたわけだし…。…あんまり割り切れなくて落ち込むのでとっとと次の買い物に移ろうと思う。まあハードディスクもいい買い物だったけど、次こそが大本命! ここしばらくずっと欲しいと思っていた、携帯 MP3 プレイヤー!! iPod とかそういうやつな。数千曲単位で音楽を持ち運べるなんて最高じゃんか。俺が家を全然出ない原因の一つに、「外では音楽が聴けないから」というのが確実にあって、それじゃあ逆に言えば外で音楽が聴ければ外にも出られるんじゃねーの? という気がしたので欲しくなった。まあ万が一、今までと外に出る頻度が変わらなかったとしても、今までは電車で移動するたびに電車の中で読む本を買ってて、経済的にあまりよろしくなかったのだけども、携帯 MP3 プレイヤーがあれば本を買うのを我慢できるんでないの、っていう気がしてるので、何にしても俺にとっては確実に重要アイテムなのだった。4年前までは MD ウォークマンがあったんだけど、壊れちゃってね…。
というわけで携帯 MP3 プレイヤーを購入すべく、また昼の秋葉原を徘徊し始める。既にネットで事前調査(デジタルモノ板を一日中見る、など)は済ませているのだけども、やはり実機を触って使用感を確かめない事には決められないので、実際に色々といじったりしてみたのだけれども、iPod の操作性に想像以上にムカついた以外は、見た目や操作性に関してはまあ大体予想通りだったので、当初の予定通り、Rio の Karma を購入することに決定。ただ、予想外だったのが値段。価格.com で調べた最安値は確か 36000 円くらいだったのに、展示されていた店ではなんと、よ、 43000円!? 馬鹿じゃないの!? 誰が4万以上も出すって言ったよ。ふざけんな。差額で CD が二枚買える。漫画なら10冊どころじゃなく買える。こんな暴利を許してなるものか。怒りに燃え、最安値の店を探すが、どこもかしこも4万円台か、もしくは、置いてすらいない。いい加減にしろよ。こんなに頑張ってる俺に対してこの経済的制裁。俺に意地悪するために結託して値段釣り上げてんじゃねーかひょっとして。それともなにか、俺が調べた情報が間違っていたとでも……っていうかもう一度ネットで調べればいいんだね。全然思いつかなかった。馬鹿だった。
毎度お馴染み石丸電気のネットコーナーで調べてみたところ、やはり俺の記憶に間違いはなく最安値は 36000 円台であった。しかも幸いなことに、その店は秋葉原に! 最高! 地図を頼りに行ってみると、「こんな小さくて雑然とした店に本当に携帯 MP3 プレイヤーなんて置いてあるのかよ」と不安になるような店だったのだけど、いやー本当にあったね。そこら辺の店より 7000 円も安いやつが。たまらんわー。思わずよだれ出た。というわけで宣伝しておこう、PC サクセス最高!! ありがとう!! 俺もこれからはもっと人間を信じることが出来そうな気がする。人と人との繋がりが世界の平和を呼ぶんだって、心から言えそうな気がする…。
新年早々最高の買い物をした俺は、ホクホク顔で帰宅。いやーマジで幸せだわ。早速 Karma をいじり倒したいところだけど、ここはひとまずハードディスクの増設をしてから、ってことにしよう。久々に PC ケースオープン! アンドハードディスク装着! 3分で終了。宇宙一楽勝。そんでフォーマットして、作業完了、と。やったぜ 160 G も増えたぜ。そこでふと思い立つ、ああそういえば、外付けハードディスクのパーティション分けてたけどあれってあんま意味ねえよな、どうせだからこの機会に一つのパーティションにまとめてしまえ。ってことでまとめることにした。「パーティションってなに?」って人は、ええと、とにかく「なんかハードディスクいじるんだな」ってだけ分かればいいです。とにかくパーティションマジックという素敵ツールを使って弄りだしたのだった。このツールは最強に便利なのだけど、作業中に何らかの事故が起きて中断されたりすると、ハードディスクが破損されかねないという、どでかいリスクがついてまわる代物。使ってる間は常に破損の危機に怯え、自らの一挙一動にも細心に注意を払うようになってしまうもので、その時の俺も、PC の前で微動だにせず(できず)、作業が進む様子を延々と見つめていた。
悪夢はその時に訪れた。時刻は午後5時を過ぎ、冬の東京は、ちょうど夜になりはじめている頃だった。それまでついていた部屋の明かりが、何の前触れもなしに、フッ、と消え、それと同時に、目の前で、つい今し方までパーティションマジックの作業の経過状況が表示されていたモニタが、暗転した。外付けハードディスクや、スピーカーの電源ランプも、光学式マウスの赤い光も、消えた。どうやら、ブレーカーが落ちたようだった。目の前が、二つの意味で、真っ暗になった。いや、正確には、実際の光景は、暗闇とは言えない。窓から入ってくる街灯の弱々しい光が、むしろ、俺の置かれている状況をくっきりと浮かび上がらせた。薄ぼんやりとした部屋の中にあって、絶望だけが、明確な輪郭を伴って俺を襲ってきたのだった。
ほどなくして電力が回復し、部屋の明かりがついた。だがモニタに光は戻らない。当たり前だ。鉛が縛り付けられたかのように重い手をなんとか動かし、俺は、モニタと PC の電源を入れた。祈るような気持ちで、いや、実際に祈っていたのだが、モニタをじっと、食い入るように見つめていると、いつもと変わらぬ起動画面が表示され、いつもと変わらぬデスクトップが、何食わぬ様子で、モニタに表示された。ひとまずは安堵、だがしかし、すぐに別の不安が俺を襲い、数秒後、俺はがっくりと肩を落とすこととなった。問題の作業を行っていたハードディスクが、認識されていない。なんと、いう、こと、だ…。膨大な、そう、まさしく膨大な量の、貴重なデータが保存されていた、失禁するほど大切なハードディスクであったのに…。それが失われたとあっては、失禁するよりない。俺は尿道を解放する腹を決めたが、何か分かることがないかと思ってパーティションマジックを起動すると、こんなメッセージが表示されたので、尿道を開くことを取りやめた。「前回の作業が中断されたようです。作業前の状態に復元しますか?」この世は希望に満ちている。神様仏様パーティションマジック様。すがるような気持ちで「はい」を選択、作業に時間が掛かりそうなので風呂に入り、果報を、金玉を洗いながら待つことにする。
そして風呂から上がった俺を待っていたのは、「エラーが発生しました」という理解不能の日本語を表示し、作業を中断しているパーティションマジックであった。何言ってんの? 馬鹿行ってないでとっとと作業を再開しろよ。しかし、「エラーが発生しました」と書かれたダイアログボックスには「OK」というボタンしかなかった。俺がいくら現実世界で怒ろうとも、PC の中の世界での俺には、「OK」などという全く持って不本意なリアクションをとる以外の選択肢が用意されていなかったのだ。全然 OK じゃない。血を吐いてでも何とかしろ。激昂する俺を寒気が襲った。くしゃみ一発。冬のアキバで風邪をもらった。全ての要素が不協和音を奏でながら俺の脳をダイレクトに打ち据えてくる現状を打破すべく、俺は起死回生の策を講じた。再起動。そう、再起動だ。宇宙の存亡の危機に亀の子だわし一つで対抗するかのような、微弱にも程がある悲しい抵抗であったが、なんたることか、再起動された我が Windows 2000 システムにおいて、問題の外付けハードディスクは見事に認識されていた。これを現代の奇跡と呼ばずして何と呼ぼう。亀の子だわしでも宇宙は救えるのだ。狂喜した俺は、そのハードディスクのエラーチェックをすることにした。これで問題がなければ完全復活である。「次の起動のときにチェックしてやるよ」というメッセージが表示されたので、喜び勇んで再起動することに。再起動は幸福を招き入れる魔法の手段。レッツリブート、ブゥーン、ファンの回転音が耳に心地よい。そしてエラーチェックが始まり、全ては「ハッピーエンド」という一点に収束し出した、かに見えた。エラーチェックが始まってから数分が経過し、このまま何事もなく終わるかと思われたその直後、エラーチェックが、突如としてフリーズした。一体何がどうなっているんだ。手のひらを、じっとりと汗が濡らしていくのを感じながら、慌てて電源を落とし、すぐに PC の電源を入れ直した。なんだろう、とても悪い予感がする…。
予感は的中した。モニタには何一つ表示されず、起動から数秒が経過した後、マザーボードからエラーを意味するアラートが鳴り響く。馬鹿な。こんな馬鹿なことがあってたまるか。神に祈りながら、再び電源を入れ直す。するとどうだろう、モニタには、めでたく文章が表示された。英語で、「BIOS 壊れたヨ。ナントカディスク入れてネ」的なことが、表示された。ナントカディスクのナントカの部分がなんだったのかはもう忘れてしまったが、とにかく、そんなもんねーよ馬鹿野郎、と激昂した俺は、三たび、電源を入れ直した。エラーアラートが歪んだハーモニーを奏でた。それから何度起動し直そうとも、マザーボードは、同じアラートを繰り返すばかりであった。ついに、完全に、壊れた。
この1年間で、一体何回、PC に関するトラブルに巻き込まれただろう。それも、何か新しいものを買ったり、新しい事を始めようとしたりしたときに限って! 今回とか未だに Karma いじれてないからね。死ぬほど楽しみにしてたのに、PC なかったら単なるオブジェだよこれ。どうなってんだよ。新しくハードディスク買ったと思ったら一つ死ぬし。おかしいだろ。確率的にありえないだろこんな不幸。誰が仕組んでるんだよ。何度も何度もふざけやがって。過去ログを漁ったら、全てに絶望する俺の更新が、過去4回に渡って行われていた。なんで俺ばっかり。
絶望その一 自作失敗の巻 (バレンタインデーの更新がこれ!?)
絶望その二 ハードディスク復旧不可能の巻
絶望その三 自作マシン完成したけどじゃじゃ馬で困るわっていうか壊れたの巻
絶望その四 どこが壊れたのかすらもわかんねーよの巻
おまけ 直ったよの巻
よくよく読んでみたら俺が悪いところもね、まあちょっと、ほんのちょびっとね、あるけれども、それでもやっぱり、宇宙意思とかそういうとてつもなく強大な何かに目を付けられてるんじゃないかなって思う。困ったもんじゃわい。ちなみに今は、風邪で頭痛や寒気と闘いながらも新しいマザーボードを買ってきて、めでたく PC 復旧しております。ネット最高!
というわけで以上が今年の俺のお正月の全て。色々あったけど今では楽しかったって言えるね。前置きで言ったように最強だったでしょ? うらやましいでしょ? 過去から愛されてるでしょ? まあ愛されてるって言うよりは取り憑かれてる感じだけど。っていうか、あれだ、誰かお金恵んでよ。死にそう。
いやいやみんなグッドモーニン! 魂が洗浄されるかのような、空気の澄んだ実にすがすがしい朝だね! オイラっちはもちろん徹夜明け、ついさっきメタルマックス2で U-シャークを瞬殺して高笑いしたところさ! 155oスパルクつえー!! っていうか今日テストらしいんですけど! 必修の授業のテストらしいんですけど! それを落とすと、卒業に必要な必修教科を来年度取れなくなる確率が鬼のように跳ね上がるんですって! つまりどういうことかっていうと、りゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅryる……留年!! RYU・U・NE・N!! 響きからすると、「竜念」っていう、「珍念」とかそういう系の坊さんが最強にかっこよくなったようなイメージを持ちかねないそれだけども、実際の所はオイラっちに核爆弾級の恐怖を与えるばかりの、恐怖の血の制裁!! マジやっべ! 今すぐ自慢の戦車で大学破壊したい! マジで! もしくはテストが始まる時間を知りたい! 何時に始まるか知らないの! いつ行けばいいんだよ馬鹿野郎!! 死ぬ死ぬ! それに、オイラっちが大学に行っていないここ何日かの間に他の教科のテストがあったかもしれなくて、その事実と直面するのが怖すぎて身動きが取れない! だからこんな日記書いてるの! 助けて! っていうか眠くなったから寝るね。まあ目覚ましかけとけば朝の8時くらいには起きられるだろ。多分。起きてから色々考えよう。ふあ〜あ。生きるって大変だよね。そういえば31日にラジオやるらしいよ。そっちのラジオでも人が生きることの大変さを考えたりするらしい。おむつをつけながらだけど。何にせよ高尚だよね〜。それじゃバイバーイ。いっそ永眠希望〜! ははは…。
前々から俺ってやる時はやる男だなって思ってたんだけど、まさかここまでやっちゃう男だとは思ってなかったわ。昨日さ、朝8時にきちんと起きて大学行っちゃったもん。普段なら「案の定テスト寝過ごしました〜! えへへ。」とか半笑いで更新しながら脳の片隅で自殺について真剣に考えたりしてるところだけど、今日ばっかりは違う。午前9時には大学に到着してた上、カバンの中には、教科書のみならず、去年の11月かそこらにコピーさせてもらったプリント類まで入っているという驚愕の真面目学生ぶり! やばいやばい。神だな。そんで、掲示板で時間割を確かめたその足で、なんと、岩倉ちゃんったら、自習室に向かっちゃったからね! じじじじじ自習室! おいおいそんなとこ行っちゃって大丈夫かよ。あの場を包み込むガリ勉オーラに溶け込めるのかよ。いや行ったことないけど。でもどうせやる気の波動みたいなのに満ちてるんだろ。自堕落な生活に慣れきってしまった我が体にとって、そのムードは最早猛毒といっていいレベルなんじゃないかって気がする。果たして生きて帰れるのか…? 大丈夫なのか…? そう緊張しながら自習室に突撃した俺だったが、実際の所、楽勝だった。何の拒否反応も出ず、ごく普通に席に着き、ごく普通に勉強を始められた。なんだよ余裕じゃん。やべー俺才能あるな。自習の才能ある。自習の天才かもしれない。俺って野郎はほんとに底が知れないぜ………。
というわけでテストの30分前まで、みっちり4時間くらい勉強した。完璧。いや実際はそのうち2時間はこないだ買った karma をいじって遊んだり、鉛筆でノートに自分の手形を取ったりしてたわけだけだから、みっちり4時間っていうのはアブソリュート・嘘だけども、普段がもう全くのゼロ時間スタディなものだから、勉強するための場所に4時間もいたというのは俺にとって奇跡。恐らく神はこの俺の奇跡を祝福なされることであろう。具体的に言うとヤマがドンピシャで当たるであろう。こりゃ単位貰ったな。ヒャッホー!
意気揚々とテスト30分前の教室に入っていく俺。いやー準備が万端だと実に気分がよろしいですなぁ! おやおや皆さん今更必死にお勉強ですか。ご苦労なことで。ハッハッハ。無駄無駄! こんな時間に焦って色々やったってね、無駄なんですよ。俺みたくさ、自習室っていう超ハイソサエティー・スペースで事前から頑張らないと。まあ君たちみたいに卑しい身分の人たちがおいそれと入れるような所じゃないけどネ。やや、あそこに見知った顔が何人かおるではないか。プリントを鬼気迫る表情で眺めている。全く、無駄だと言っているのに…。どれ挨拶でもしておくか。やあやあ皆さんお久しぶり、元気してた? って、その焦りまくってる様子からして余り元気ではないねハハハ。どれお兄さんがみてあげよう。どれどれ。ああこれはプリント No.6 の……って、6枚目? あっれ〜? ………あのさ、出来れば確かめたくないんだけど、敢えて聞くよ、今回のテストの試験範囲ってさ…。「うん、No.6 以降だよ。」え、う、うんそうだね。6枚目以降だよね。No.5 より前のプリントなんて緊急事態の際にトイレットペーパーの代わりになる以上の使い道なんてないよね。で、ちょっとびっくりするかも知れないけど俺の告白聞いてくれるかな。あのさ、俺のカバンにはさ、何故か5枚目までしかないんだよね、プリント。ついさっきまで、その、No.5 はでは勉強してきたんだけどさ。ひょっとして完璧に無駄…ですか…? 「ははは」 いや笑ってる場合じゃないですよ。マジで。マジで! おかしいだろ! たまにやる気だしたらこの仕打ち、あんまりだろ! ……おかしいな、こんな事になるはずではなかったんだけどな…。ひょっとして俺もう駄目なのかな…。…え、何、この問題を覚えれば何点かは取れるって? ほんとありがとう。地獄に仏。知り合いいて良かった。あんた最高だよ。っしゃー覚えるぞ! っていうかルーズリーフの両面に文字が一杯書いてあるんスけど、これを覚えろとっていうことかな。「うん。」全部? 「うん。」そっかー。なるほどね。…無理でガンス! ポーイ!
そして、俺がカンニングペーパーを作ろうか作るまいかで真剣に悩んでる間に、教授様が教室にいらっしゃって、ついにテストという名の不幸の手紙を配り始めた。赤紙を受け取る時ってこんな気分だったのかな…。まあでも、試験範囲外とはいえ死力を尽くした俺だ、きっと案外何とかなるはずだ。人事を尽くして天命を待つ! 正直人事全然尽くしてないんだけどさ。尽くさなかったからこういう目に遭ってるんだけど、それは気にしない! いけるいける! お、始まった! どれどれ、1番は…えーと、……後回し、と…。次に2番、あーこれは…やはり後回しだね。で、3番。なんだよこれ。そもそも問題文の中に出てくる単語の意味がさっぱり分からない。ポアソンって誰? 何だか知らないけど勝手に分布してろよ。俺に関わるな。分からせる気がないのなら消えうせろ! で、最後の4番、この問題を眺めてる時の俺の表情ときたら、1000年くらい前の平安貴族が今のギャル文字を見たらこんな表情するだろうな、っていうね、もう実に渋い顔。マジで問題の意味が分からない。あほか。というわけでこれも無理無理! …あれ? そうなると、もう解ける問題が、ないぞ…? あれ、これってもしかして…もしかして、このテスト、0点!? 0点になる以外の確率も、0!? …終わったーーーー!!!
身も心もボロボロになって帰宅。就寝。もう何もしたくない。4時間とか言ってさ、もう一生分の勉強時間じゃないスか。はっきり言って単位もらったな、みたいな確信を持ってたのに、それなのに…。やさぐれた心でドリームワールドに旅立ったら、そこで家族に見捨てられた。狙い済ましたかのような悪夢を見たので、おいおい出来すぎだろ、と思った。これがね、あなた、作り話だったらどんだけいいか…。ほんと、心のそこからね、そう思いますよあたしは。ほんまに。
そんな落ち込んだ気分のときに限って朝早く目が覚める。本日、午前8時に起床。はっえ。普段なら、そんくらいの時間にやっと寝るのに。…まあ、これを機に俺も、真人間の生活サイクルに戻りましょうかね。やっぱ人は成長していかないといけないよね。よし決めた! 俺はたった今からちゃんとする! くよくよしててもしょうがない、失敗をバネに、青く澄んだ大空へと飛び上がるのだ! などと自分を鼓舞しながら PC の電源をオン。多分起きて1分後に PC を付けるような生活をしてる限りは真人間にはなれない。知るか! インターネット最高〜! と、ここでトラブル発生、なんだかネットに繋げないゾ? 困ったちゃんだな、まあ多分ルータが悪いんだろ、ルータを再起動しつつ PC も再起動させるとしますかな。さすがにこのくらいの不具合じゃね、あたしゃアタフタしませんよ。良くあることですからね。ホッホッホ。さあ来ました windows2000 の起動画面。「起動しています…」頑張っている模様。早く俺にネットをさせて! 神様ー! 俺の願いが通じたのか切り替わる画面。ホッホ。…ホ? 何、この画面は? 何ですのん? なんか真っ青? 英語でナンチャラエラーっていう表示が出てる? えっ? ちょっと? 思いっきりアタフタしながら再起動。どうか PC ちゃんの気まぐれでありますように…。だってねぇ、さっきはさ、普通に起動できてたじゃん? それが、ははは、再起動したら起動しなくなるだなんて、ねえ、そんな馬鹿げた話が…ってまた青画面きちゃったー! どうなってんのこれ! あほか! なんか英文読んでみたら、「なんかのハードウェアが悪いんスよ〜」って win の野郎が言い訳してる。そんくらい自分で何とかしろよ! ふざけやがって…面倒くせーな…。脳内で5万文字くらい愚痴を並べ立てながら、起動に不要と思われるものを全部外して再起動。青画面。ぶっ殺すぞ! ざけんじゃねーぞ! お前、マザーがブチ壊れてから、ええ、い、一週間もたってないじゃないか!! 壊れすぎだろ!! 今度は OS かよ! マジで大概にしてくれ。俺がそんなに嫌いか。誰だか知らないけどそろそろ許してくれ。俺が悪かった。具体的に何が悪いのか俺には分からないけど、俺が悪かった。この通り。だからよ、頼むから、もうこれ以上 PC のトラブルに巻き込まないでくれ…。この世の全てに祈りながら電源スイッチを押す俺。青画面。ギャアアアアーッ!
泣きながらついさっき OS を再インストールした。ドライバも何もかも入れなおし。死ぬほどめんどくせー! 俺の俺による俺のためのカスタマイズが全部パーですわ! ああああああー! もうやだーーー!! っていうかバックアップ取ってなかったから FTP の設定やらサイトのログやらメッセのログやら全て消し飛んだよ。C ドライブにあったやつは全て。あーあ! まあログはどうでもいいけど、マイピクチャフォルダに溜め込んだ数々の画像たちが消えてしまったのが…余りにも…悲しい…。でもお気に入りフォルダとメールだけは、神がかり的な危機察知能力が働いたのか、つい三日前にバックアップを取ってあったので助かった。いやーマジでバックアップ大切だわ。つーか起動ドライブに大事なもん置いておいちゃいけないね。身をもって思い知った。大切なツールの設定とかは常に別のドライブへ保存しておくようにしよう、これからは。今年の目標は「PC のトラブルに強くなる」で決まりだな。真人間になるのは、4年くらい先に順延! 今は無理!
なんか大学でテストとかいう催しが行われると聞いたので、いっちょいってみっかと軽い気持ちで顔を出してみたら、偉そうなツラをしたおっさんが偉そうになにがしかの注意事項を述べ、「計算用紙」という名目で真っ白な紙切れを配り、その後、暗号じみた奇怪な文章がズラリと印刷された、謎の書類を渡してきた。一体これはなんだろうと戸惑っていると、何かの合図のように鐘が鳴り響き、それを皮切りに室内の全員が、先ほどの暗号文書の解読を開始したのだけれど、当然自分はスパイでも暗号マニアでもないのでそんな芸当が出来るわけもなく、仕方がないから計算用紙とやらに絵を描いて過ごした。なかなか有意義な時間が過ごせたと思う。しばらくすると、偉そうなツラをしたおっさんが、暗号の書かれた紙の提出を求めてきたので、「人にやらせないで自分で解読したまえ」という抗議の気持ちを込め、白票を投じた。無論、無記名でそういった批判を行うのは自分の騎士道に反するので、しっかり自らの身分を明らかにした上で提出した。我ながら男らしい。帰り道、不意に投身自殺したくなったが、その欲求が一体どこから湧き起こってきたのかは、何よりも難しいココロのパズル。
やっべー困ったなー。ほんと困った。どうしよう…。ああ…。あ、ごめんねいきなり。何の事か分からないよね。実はさ、今日はみんなに相談したい事があって、それは何かって言うと恋愛絡みなんだけどさ…。いや恋愛、ってわけでもないな。何て言うの、俺としてはね、そういうつもりは一切無いんだけよね。別に相手の事を嫌いなわけでもないけどさ…。でも、どうもあっちの方はね、まあ俺がこう言っちゃうのもなんですけど、もう、ベタ惚れ? 俺の事しか考えられない? みたいな状況でね…。一体どうすれば諦めてもらえるのかな、と…。え、なんだって? 振っちゃえばいいって? いやね、それがそうもいかないんすよね。何しろ告られてないからさ。もう態度とかから考えて、あっちが俺にゾッコン、業界で言うところのコンゾーなのは火を見るより明らかなんだけど、さすがにね、実際にアタックされてないのに「ごめんね、僕は君の事好きじゃないから…」とも言えないわけ。だから悩んでるのよ。それで、それに輪をかけて困った事にね、どうにもヤッコさん、好き好きアピールの仕方がね…どうにもね…なんつうか、小学生みたいな手法で俺の気を引こうとしてくるもんだからね、ぶっちゃけうざいんだよね。ほら、あるじゃない。好きな子の気を引くために、わざと意地悪しちゃうっていうあれですよ。あれをね、今更ね、こんな年に…っつっても今気づいたけど、俺は相手が何歳なのか知らないな。まあどうでもいいや、何にせよいい大人ですよ、それがね、そんな意地悪で好きな人の気を引こうなんていうのがね、もう痛ましくて、尚かつ迷惑なので、何とかしてやめさせたい。それで、何かいい知恵ないでしょうかねえ、っていう相談なわけです。
で、結局、俺が一体誰に好かれているかっていうとね、ああ、言っちゃっていいのかな…。あのね、俺の事を好きで好きでしょうがなくて、好きさ余って思わず意地悪しちゃってる恋の不器用さんっていうのはね、みんなも知ってる、あの、有名な、「神」さんです!!! キャー言っちゃった!!!!! マジ恥ずいんですけど!!! っていうか、また PC 壊れたんですけど!!!!! そろそろいい加減にしろ! ほんとね、神の野郎も、俺の気を引かんがために無茶しすぎ。意地悪しすぎ。神さんね、今のあんた、小学生に例えるなら「好きな子の給食のスープにいきなり脱糞する男子」と同じレベルだよ。ぶん殴られても文句言えない。なんでさ、よりによって、俺が命の次に大事にしている PC に、こういう事をするのかな…? 俺、とっても悲しいよ…。だってお前、今月に入ってから何回目だよ PC 壊れるの。おかしいじゃん。何をどう考えても不幸の衝撃波みたいなやつが俺を襲ってる。俺の魂ごと消し飛ばさんばかりの、猛烈なアンラッキー・タイフーンがうなりをあげて俺を巻き込んでる。
でね、今回壊れたのは、OS がインストールされてるハードディスク!! こないだどなたかに「青画面出たならそろそろクラッシュしますよ」っていう不吉極まりない予言を頂いてたんだけど、まさかね、ここまでドンピシャで来るとはね…。まあ俺も薄々そんな気はしてたんだけどさ。何しろ、 B's Recorder の機能を使ってハードディスクのバックアップ取ろうとしたら、何度やってもエラーで DVD が焼けなくて、そのエラーの詳細を見たら「ドライブが破損している可能性があります」と来たもんだ。慌ててチェックディスクしてみたら、はい来ましたフリーズ! いよっ! 待ってました! 色男! 馬鹿野郎! 誰も待ってねーっつーの! もう駄目だー。この世の終わりだ…。とか絶望しながら再起動してみたら、あら不思議、 OS が立ち上がった! まだ神は俺を見捨ててはいなかった! でもネットできない! どういう事だよこれ! そして5分くらい試行錯誤してみたらフリーズ! 再起動してもネットつながらない! しょうがないから壊れていると思われるドライブのファイルを他のドライブにコピーしだしたらフリーズ! 再起動したら自動的にチェックディスク開始! そこでまたフリーズ! 再起動! 今度は普通に起動完了! しかもネットまで出来る! っていうか何で? どうしてネットできるの? もしかして気分次第なのかこれ。俺の意地悪をしている神様の気分次第? それにしては当然のように外付けのハードディスクはシカトぶっこかれてるしワケわかんね。そんで次の日の朝には案の定繋がらなくなってるわけよ。もう滅茶苦茶。神ちゃん好き放題しすぎ。そんなことじゃ人のハートなんて掴めないゾ! そろそろ「意地悪じゃ気は引けないんだな」って気づいて、「とんでもない量の札束がいきなり PC ケースから湧き出てくる」みたいな、そういう心温まるイタズラを期待したいところ。つーか贅沢言わないからまともな PC を返してください。ちなみに今は4年くらい前のノートでネットしてます。あまりにも重くて吐きそう。
さて、そんな救いようのない現実にはひとまず目を背けてですね、本日の夜10時だか11時だか、とにかくそのくらいの時間から、ラジオを友達とやります。全員がおむつをつけて、最後の一人になるまでおしっこを我慢し続けるっていう心の底から正気とは思えない企画を敢行するので、この世の地獄に興味をお持ちの方は是非とも聴いて唖然とするといいんじゃないでしょうか。詳しくはラジオページにて! 投稿なども絶賛募集中なのでよろしくお願いします! 今勝手に考えたコーナーですが、「僕の・私の漏尿エピソード」というのを募集したいです。あなたがついうっかり、いい年ぶっこいてお漏らししてしまったハートフル・エピソードをお聞かせ下さい。そのエピソードに笑った拍子にラジオ参加者の誰かが漏らしたりしたら、呼吸が止まるくらい笑えるような気がします。俺も今まで心の防空壕にひっそり隠しておいた、とっておきの失禁エピソードをラジオで語ろうと思うので、みなさんも是非投稿をお寄せ下さいませませませ。というわけでごきげんよう。ノートで文字打つのだりー。