がうがう

2003年08月10日

なんか昨日「うまいラーメン食いまくろうぜ」という主旨の集まりがあったらしくて、1週間半くらい前にそれの集まりの人から「来いよ」みたいな事を言われたので「じゃあ行く〜」と返事をしたものの、よくよくそのラーメン食べ歩きツアーの概要を読んでみると「昼から夜までに4軒のメーラン屋ハシゴしま〜す」的なことがサラリと書いてあったので戦慄。俺は1年半ほど前のココイチ1300グラムカレー挑戦(マフラー2002年2月10日)以来、食べ物を苦しみながら食うことだけは二度とすまいと心に誓っておったので、4軒もハシゴしたら確実にその禁を破る事になり、最後の1軒などはまるで義務のように麺やチャーシューを咀嚼して胃に流し込む作業を繰り返す羽目になる事は必至。お店の人が心血を注いで作ったスープも見事に残してしまうことだろう。俺は、ご飯だったら最後の一粒までなるべく残さず、ラーメンならスープまでほとんど飲み干し、綺麗に平らげる事を信条としているのだから、綺麗に食べられないのが分かっていて飯を食いに行くのは気が引ける(気持ち悪いデブのこだわり)。というわけで4軒全部は嫌じゃのうと思って、参加者の人に「途中から参加したり、おなか一杯になったら帰ったりしていいの」と聞いてみたら、「超自由」という返事がきたので喜んだ。ヒャッホー! 何の躊躇もなく行ける!

というわけでうまいラーメン食うぜツアーを実に楽しみにこの1週間過ごしておったわけなんだけど、ついにそのツアーの当日を迎え、目を覚ましてみたら驚いた。ちまたで噂の台風10号の野郎が猛威ふるいすぎ。誰かにドアをドンドン叩かれてる夢を見て、次第に「あ、これ夢じゃねえな、実際親が俺を呼んでるんだな」と思って「あー?」とかだるそうに返事したら応答なし、それどころか未だ粘着質に部屋のドアを叩き続けるもんだから「なんだよ」って怒った調子で言ってみたところで、そのドンドンっていうかガタガタなってる音が強い風によるものだと気付いて一人赤面したくらい激しい天気だった。紛らわしいんだよ糞自然現象が! っていうか紛らわしいだけじゃ済まされない。正直なところ外に出たくない。死んでも出たくない。1分後に家が爆発するよって言われない限りは出たくない。まあ事前に「遅れやす」とも言ってあるし、遅刻なら問題ないはずなんだけど、このままいくとサボる。サボりはまずい。さすがに悪い。5ピコグラムくらい残っている良心が多少痛む。でも出たくない。この板挟みですよ。さあ困った。どうしよう。どうしようって言うかとっとと行けよって話だな。うん、そうだね。よし、じゃあ行こう、雨が弱くなったら! 今後雨がどんどん強まった場合は、「台風が悪い」とかそういう感じの一言メッセージをメールで送りつけて布団に潜り込む事にしよう。よっしゃ名案。名案でもない。愚案。でも愚案は愚案でも、俺なりに名案っぽい気配は感じているので、名愚案? とかそんな感じか、マジどうでもいい。

というわけでインターネットに全力を注いで時間を潰した。具体的に言うとブラウザでできるシューティングゲームの10面を10回くらいクリアしてた。ハイスコアに挑んだ。ものすごい時間の浪費。何一つ生産しない活動。しかも自分が何点取ったか忘れた。つまりそれまでの俺の行動は完全なる無に帰した。なんだか、俺の人生このままの調子で終わるんじゃないかって気がすごくする素敵なエピソードだよね。台風で家飛ばねーかなー。

そんで気付いたら午後4時半とかになってて、さすがにそろそろ行かないとまずいなと思って外の様子を窺うべく窓を開けたら、風こそ強いものの雨はそれほどでもなく、あ、これなら行けないこともないかなという感じ。いや普段だったら死んでも外には出ないけどね、俺も何だかんだ言ってラーメン食いたいし。腹減ったし。正直2杯くらい食いたい気分になってきてた。それまでなんかよく分からない意地を張っていた気がする。素直な気持ちになってしまえば、やっぱり俺みたいな油大王がラーメン一杯だけで済ませるわけがないのだ。よし、今こそ旅立とう。ラーメン戦士たちのもとに、今こそ合流しようではないか!

勢い込んで家を出発、なんかはす向かいの家の玄関先で、パンツにネグリジェ姿のおばさんが倒れて泣いており、それを、これまたパンツ一丁で半裸状態のおっさんが罵り、それを見つけた我が家の祖母が余計なお節介をしにいくという、「修羅場」を絵に描いたような事態が展開されていてとんでもないくらい興味を引かれたけども、それでも俺はラーメンを選んだ。ずっとその玄関先に注意が行っていたので前を見ておらず、危うく事故りそうになったけども、それでも俺はラーメンを食うため、ひるむことなく前進を続けたのだった! そうだそうだ、どこに行けばいいか分からなければ合流できない! 参加者の人に電話だ! もしもし岩倉です! 今から行きますよ! 「あ、来るんだ」 行くよ! 「あのね、今ね、4軒めのラーメン屋。終わりです!」 えーっ!? 「終わり終わり。」 ちょっと待てよ! この俺の高まりきったラーメンテンション、ラーメンディザイアはどうすればいいの!? 「今4軒目だけど、俺とかはリタイアしちゃってさ…(全然聞いてない)」 もういいよ!

なんつうの、もう、唖然とか呆然とか愕然とか慄然とか、そういう単語では形容しがたい、得も言われぬ絶望感・無力感が、雨の中一人傘もささずにチャリンコ飛ばしてる俺に襲いかかってきたよ。自業自得とは言え、余りにも空しい。あれ、俺って今なにしてんだろう? みたいな。これからどこに行くんだろう? みたいな。人はどこから来てどこへ行くのか。そもそもどうして人は生まれてきたのか。自我とは。人間とは。人生、とは………?

その後、たった一人で地元のラーメン屋に向かい、チャーシューメンを食べた。とてもおいしかったです。ラーメンオフ、オフレポ終わり! 参加者の連中は全員ラーメンの食い過ぎで成人病になれ。

Posted by iwakura at 21:44